実例集第一弾はアニマルコミュニケーションの先輩である前田さん(キキのテーブル)の猫、グレさんとのお話しです。
かなり過酷な状況で前田さんに保護されたグレさん。
そして固形物を食べなくなって1週間。数値的にはもうなす術がない、いつ虹の橋を渡ってもおかしくない…という状況の中、お話しさせていただきました。
写真を覗くと猫には珍しく私の目を真っ直ぐ見て話をしてくれました。
確かにやせ細って入るけれどなんとも言えない生命力を瞳の奥に感じます。
話しかけたところとてもか細い乾いたような声で時に途切れ途切れに(しかし話し続ける)話してくれた内容をそのまま書きます。
ちょっと脈絡がないような文章ですが、ありのままです。
質問①;今の身体の状態(痛い所、苦しいところはないか?)と、してほしいことしてほしくないことはありますか?
グレ;ただ、とても、苦しいよ。全部だよ。全部苦しいんだ。
苦しいことには慣れているんだ。知っているだろう?
ずいぶんと1日が長いんだ。。。なんでだろうね?
とにかく暖かい部屋で安心して眠れるんだ。これがどんなに嬉しいことかわかる?
乾くんだ。
口が渇く。水が飲みたいなあ、沁みるだろうか?ほんの少しでいいんだよ。湿らせる程度にね。
無理やり何かするのは(食べたり飲んだり)イヤだよ。
そっと放っておいて欲しいよ。他の猫(前田家の他の猫たち)がそうするように。
他の猫をよく見習って、側にいて放っておいて欲しいよ。
質問②;前田さんに対して言いたいことや、要望はありますか?
グレ;ぼんやりするんだよ。でも頭はハッキリしている。
(前田さんに対して言いたいこと、ですよ?と私が言ったら)
ああ、そうだね。ありがとうってこういう時に使うんだね?間違っていないね?
暖かい寝床なんだ。幸せだよ。ああ、幸せってこういうことを言うんだね。最近知ったよ。
(前田さんのおうちに来てからということですか?と私が質問したら)そうだよ。だからもうどこにも行きたくないんだ。
それから「腕の中」っていうのも悪くないね。
(抱っこしてもらうということですか?と私が聞いたら)
そうだねえ、チョットくらいならいいかもしれないね。そして耳元で言って欲しいんだ。
「綺麗なグレ、美しいグレ」ってね。それだけだよ、他にはなにもいらない。
グレさんの生命力でしょうか?苦しい様子ながら乾いたようなか細い声で話し続けます。
人の心を見透かしているような瞳で見つめるので時々目を逸らしてしまうくらいでした。
これからもずっと猫でいたいよ、と言っていました。
質問③;今、何才くらいですか?
グレ;「知らないよ」
ちょっとそっけなくお返事いただきました(笑)。私がさっきまで部屋で聞いていたボレロがまだ頭の中で鳴り響いているようで
うるさい、と感じているみたいです。グレさん、眉間にシワが寄ってます。
年齢は…とても若いです。3才くらいと感じます。
質問④;家に来る経緯
グレ;前田さんはある日突然現れた「光の塊」だね。とても眩しかった。(希望の光にでも見えたのかしら?)
産まれて間もなく母猫とはぐれたのか飼育放棄されてずっと一人だったそうです。
長い間体調が悪く痛み苦しみを抱えたまま、なおかつ孤独に生きてきました。
今の境遇が考えられない、夢のようだ、嘘なんじゃないか、そんなふうに捉えています。
自分のことしか考えられない環境(苦痛と飢え、寒さ暑さ)だったので、家に迎えられてからは苦痛がゼロではないにせよ
軽減されて寒さからは完全に解放されたので前田さんのことをよーく観察するのが日課なんですって。
そしてそれが楽しみでもある、と。
なんだか今日はグレさんにつられてとりとめのない文章になりました。
小さな声で囁くように話をしてくれたグレさん。
思いつくままに話す様子には前田さんへの感謝が滲み出ていて私の方は涙が滲んでしまいました。